Debianで青色申告2023 (e-Tax)

Date: 2024/03/10 (initial publish), 2024/03/13 (last update)

Source: jp/note-00062.md

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以下が、正しい対応かどうかは、私は保証できません。

青色申告+確定申告

去年は9月末に給与生活者の会社員生活を終えたので、医療費控除などの「確定申告」のみならず、「青色申告」にも税理士さんにお願いせずにチャレンジしました。

この背景の私の青色申告のモティベーションは「退職後の超短時間の散発的な業務に関する少額の外貨収入を不申告でトラブルわけにも行かない」です。私がいつも散髪をお願いしている散髪屋さんによると、「税理士さんは年間20万円ぐらいかかるだけで楽だしい良い」とのことでした。これは典型的個人事業主案件のルーチン作業だからで、外貨での支払いや外国語契約やが絡むとこうは簡単に街の税理士さんにこの値段でお願いできないし、会社にいたときのような海外対応できる大手税理士に頼めるほどの状況でもありません。

税理士さんを頼むほどではないとはいえ青色申告の控除は魅力的なので、必要要件の「複式簿記」を満たすべく自己責任でGnuCashの利用で青色申告に対応することにしました。税理士さんの知見を使い必要経費が落とせて節税できる状況があれは別ですが、私はそこを追いかけないのでこれで十分です。

ちなみに、e-taxは、去年使っていた給与生活者用の「確定申告」のリンクからスタートし入力したデーターは、「青色申告」の方から入って作るデーターに後からマージできないので要注意です。結局、「青色申告」のリンクから初めて、ほぼ同様の様式のページに行き着き、すべて手で再入力しました。

e-TaxがWindows専用問題

e-Taxソフト(WEB版)を使うのがDebianでの基本です。

公共性が求められる国家機関のサービスが、十分な理由なく特定ベンダーの有償製品のWindowsオンリーに限定のみのサポートと表示されている現状には懸念があります。

この「サポート」の件は無視します。あくまで「これ以外で使用禁止」などはないので、間抜けな制約は、PCブラウザーのExtensionで、Windowsのふりをすれば、最近のPC WEB(Debian)+携帯(iPhone)で十分乗り切れるということが、2022年度確定申告の際に判明しています。

ふるさと納税関連

ふるさと納税関連のデーター入力は、マイナポータルで連携していたので、仲介業者のXMLデーターが使えて楽でした。

医療費控除

医療費控除も、マイナポータルで連携していたので、健康保険組合のデーターが使えて楽なはずでしたが要注意でした。

健康保険組合の医療費データーは、かなり間抜けな構造(XMLをCSVに落し込んだ感じのテキストファイル)で、集計シートに読み込むのにスクリプト前処理をし、LibreOffice上で表計算を使いながら実際の領収書と照合し整形しました。最後は国税庁提供の医療費集計フォームにLibreOfficeでコピペで張り込みアップロードしました。医療機関名の20文字制約等、要注意です。

スクリプト前処理は、私のgithubにあるmedformスクリプトを、医療費(家族毎別々に取得)のCSVファイルのあるフォルダーに置き、以下で対応しました。

 $ ./medform < FILENAME.csv

参考にした先人のウエッブページ

GnuCash を利用して帳簿をつけたり青色申告することを書いた、先人のウエッブページで面白かったものを以下に記します。

Gnucash を使った複式簿記の準備

GnuCashは、数学的なところはしっかりして、会計処理が分かっていれば上手く使えるのかもしれませんが、素人にわかりやすいWizardのようなサポート機能はない感じで、実務的な売掛・買掛処理などのやこしい機能の使い方や、e-Tax経由での青色申告の際に必要な期首・期末の会計年度間処理は少々ハードルがあります。この点は、先人の情報を参考にして考えました。ただ、先人のウエッブページを読んでも何が本当に良いのかよくわかりませんでした。

Gnucash の使い方各論は、私の過去のGnuCash使用経験が基本です。

「売掛」問題

記帳は発生主義で行わなければならないため、支払われる事が確定した日で記帳をします。だから、安易な現金ベースのみでの入金管理ではなく、売上や購入を「売掛」「買掛」などの資産項目で伝票発行や受取時にタイムリーに記帳することが大事です。

気になったので、年度末の商品提供が終わり伝票発行済みの「売掛」を年末に前倒しして「損益」に落とし込む処理をするのと、「売掛」という資産項目のままとの結果の違いを比較しました。当たり前ですが、後日入金時に微小ではあるが発生する送金費用まで前倒し処理すると、資産項目のままより損金がその分増えた以外は、損益計算書の結果は変わりません。一方、貸借対照表はかなり様子が違いました。前倒し処理をしたので売掛金が手元現金(実際には事業主貸し)に置き換わっていました。

「売掛」などさえちゃんと入力すれば、無理に前倒しにしなくても良かったみたいです。

為替レート・送金手数料

TTMレート(仲値)を使うのが基本です。データーは、みずほ銀行のヒストリカルデータ―がCSVで使いやすいようです。

勘定項目によっては特定の他勘定項目に転送ができないがありました。(自己資金間?)

請求書

GnuCashの 請求書(Invoice) 作成機能は使っていません。

契約上、Fee(料金)とは別にReimburse(還付)するとされていた立替金は、その趣旨に従って為替のスプレッドのロスがなく円が受け取れるように、TTBレートを採用して別途Excelで作りPDF化して先方に送付しています。

GnuCashの帳簿へは、米ドル建ての数字を転記しています。

入金する額は、途中の送金料が取られてINVOICEより毎回$20.00だけ少ない額がドルで銀行口座に入っていました。不可避なようなので、差損はその時点で損金処理としました。

期末処理

先人の情報と、私の過去のGnuCash使用経験から考えて採った手順を以下に簡潔なメモとし残します。

正直、本来の「一般仕訳帳」の帳票が期間指定できないのでイマイチな状況の背景は意味不明です。

この時点で青色申告できる情報は揃ってます。

期首処理

ただ、上記の期末処理法なら同じファイルを使い続けるのもありの感じです。損益の「元入金」科目への移動は1月1日付でするのかな?

電子帳簿保存法へのコンプライアンス

納税関連文書の電子保存で改ざん防止上必要となるというタイムスタンプを、有料の業者サービスを使わずに、領収書などの文書をタイムスタンプを押して保存するフリーソフト環境下での手法を考えてみましが、どうも無償では良い手はないようです。

確かに、「教えて!!令和3年度改正 電子帳簿保存法 (pdf)」のP9にある要件、「NTPサーバーによるタイムスタンプ」を「自己が管理しないクラウドサービス」を見て気づいたのは、これにメールサービスが利用できないかなということです。頭で、「スキャンデーター等を添付したメールを作成」、「DKIMの署名をつけて送信するメールサーバーを通して送信」、「保存用メールアカウントに保存」すれば、メールサーバーがNTPデーターによりタイムスタンプしているし、メールサーバー運用会社が持つ秘密キーを用いてメールを署名しているので改竄防止されて上手くいく気もしました。でも、現実は甘くなさそうでした。

そこで、「タイムスタンプが必要なのか?」に戻って考えたところ、意外に簡単でした。

国税庁の、電子帳簿保存法:電子取引データの保存方法をご確認くださいによると、実質的に『「タイムスタンプを付与」「訂正・削除の履歴が残るシステム等での授受・保存」といった方法』は必須ではなく、『「改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る」といったシステム費⽤等をかけずに導入できる方法もあります。』とまで言い切っています。検索要件も、小規模事業者は実質的に綺麗にフォルダーに整理されてすれば十分なようです。

ちなみに、入手したメールやレシートPDF等のデーターはbtrfs上に置き、タイムスタンプ付ROスナップショットをbssスクリプトを使って取ってます。

参考:

タイムスタンプサーバの情報

上記に関連する情報サイト集

納税・フリーランス関係サイト

国税庁の税金関連サイト

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